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[新規] 初音ミクの服でお馴染みのDX7とTX816を復刻  



仕事人さん[2011-11-04 12:01:42]
初音ミクの腕に描いてあるのはYAMAHAのDX7というシンセサイザーです。スカートに描かれているのはDX7の音源部のみを8つ搭載したTX816というモデルです。たしか発売当時の値段は98万円だったと思います。なぜ816と言うのかというとDX7は最大同時発音数が16音なので8つの16音で816なのだと思います。音源内に6つ、オペレーターという発振機を持っていて、この6つを掛け合わせて32のアルゴリズムと共に無限の音色を生み出すことが可能でした。TMの小室哲哉さんやカシオペアの向谷実さんが2台ずつ所有していて羨ましかった覚えがあります。小室さんも向谷さんも4つずつに分けて鳴らしていたみたいです。例えばブラスの音を1ch~4ch、デジピの音を5ch~8chというように。DX7一台で鳴らすよりも4台が同じ音を同時に鳴らすので音が分厚くなるんです。DX7でエディットした音をMIDIケーブルでTX816に送信して鳴らしたりできました。DX7の音源部はOPSという発振機で8Bitだったようです。でも音作りは難しいです。私も中古で24万円のTX816をローンで買い、一台持っていたことがあるんですが、満足な音が作れなかったです。それくらいFM音源での音作りは人を選ぶというか大変でした。向谷さんはMacの専用ソフトで音色管理していたようです。FM音源のFはフリケンシー、Mはモジュレーションの略だった気がします。アメリカのスタンフォード大学の研究者からヤマハが権利を買ったようです。ラジオのFMと原理は同じみたいです。TX816は、なんと言ってもデザインがカッコイイんです。一つの音源部(モジュール)はTF-1と言うんですが、パネルデザインも、いったいどんな人がデザインしたんだろう?と思うくらい今見てもクールです。オペレーションも今の携帯電話に通じるものがあり、とても操作しやすかったです。あと大きさ。4ユニットサイズの大きめサイズは重量感があって良かったです。初音ミクのキャラクターデザインを手掛けた人はお目が高いと思いました。電源を入れた時の挙動がまたすごくて、赤いLEDランプがパッパッパッパッと少しの間点滅したかと思うとバリバリバリッと電気の音が連鎖的に鳴るんです。この電源ON時のカッコ良さだけでも見てもらいたいんですが、今は売ってしまい手元にないのでYouTubeにも投稿できません。コンピュータからプログラムチェンジという音色番号情報を送信するとTX816の2桁の赤い番号が変わるんですが、これもカッコイイんです。小室哲哉さんは視覚効果的に「これは使える」と確信していたに違いありません。演奏中にババババッとプログラムチェンジさせて私たちシンセサイザーファンの目を釘付けにし、心をワシ掴みにすることに成功していました。この他にも16ボイスのOPSの他に、8ボイスのOPMという4オペレーター8アルゴリズム音源があったんですがTX808みたいな形でのリリースはありませんでした。昔、X68000というパソコンの音源部がこのOPMだったので、専用ソフトを買ってエディットしてみたんですが、音色を作る時にシーケンサー(自動演奏機)と同期させられなかったため、マウスでスライダーを上下させてエディットする度に、画面上のソフトキーボードで1音1音確認する必要があり、それが面倒で挫折しました。なぜ音をエディットして音作りをしたくなったかというと、ゲーム音楽が素晴らし過ぎるからです。きっと各ゲーム会社では自社で専用エディターを自作してサウンドチームに提供していたと思われます。X68000はエミュレーターとゲームROMが海外のサイトからダウンロードできるので百聞は一聴に如かずで聴いてみると分かるんですが、もう一つ一つのROMが宝石、あるいは名盤みたいなものです。「4オペレーター8アルゴリズムでもこれだけやれるんだ」と感動させられました。TX816に話を戻しますと、90年代にYAMAHAがMU-100という音源を発売したんですが、これ用にDX7音源ボードが発売されました。TF-1の基盤よりもずっとコンパクトで、もしやTX816が新基盤で安くリリースされるのでは?と私の胸は高鳴りました。でも、何もありませんでした。今のシンセは、どれも大きな液晶パネルを搭載しているんですが、私はどうもこれが性に合いません。買いたいとも思いません。不思議なんですが80年代~90年代のシンセのほうがずっとカッコイイんです。TX816のデザイナーが現役なら、ヤマハは競争力を維持できると思うんですけど、メーカーにも絶頂期というか黄金期みたいなものがあるんでしょうか?ビートルズが一時期、すごかったように何か運命的に、社運というかバンバン何でもヒットする時期があって、その後停滞期を迎えるみたいな。ピアノやギターなどは既に、普遍的デザインに到達しているとしても、そういえばシンセサイザーにはスタンダードってまだ無いんですよね。時代を超えて作られ続けるモデルが。それとも生産中止になった時点でその製品はスタンダードになるんでしょうか?とすれば初音ミクもいることですし、DX7とTX816をぜひ復刻してほしいです。ミクはあのパッケージの服以外を着てもあまり似合わないような気がするので、ここはヤマハさん勝機ですよ。ミクの服に使われたシンセ音源、復活!!とか言ってミクとコラボレートすれば、SEGAさんのように若者の注目を集めると思いますよ。
余談ですが、DX7には、その後継機としてDX7-2と、その音源版TX802が発売されました。DX7の8Bitから16Bitになり、音源部もDX7の2台分を搭載し、4つの音源部を同時に別々のチャンネルで鳴らさなくても、一つの鍵盤に密集して同時に鳴らせるモードを搭載、一つの音源を複数トラックで鳴らせるマルチティンバー機能など盛りだくさんでした。アクセスの浅倉大介さんは高校生の時にバイト先でヤマハにスカウトされてDX7-2の開発に携わるようになったそうですが、この時、様々な開発アドバイスをしていたようです。音楽が作れて、演奏できて、理数系のためプログラムも理解できてと、浜松にあるヤマハの開発室でも大活躍だったようです。「歩くMIDI規格(ミディー規格。コンピュータとシンセサイザーをケーブルで繋いでコミュニケートさせる世界規格)」とあだ名され、詳細なフローチャートなどを完全に把握していたようです。音色作成やバグ取りも担当し、DX7-2の時は発売日当日夜にギリギリで最終バグフィクス(プログラムエラーの修正)を終えて、急ぎGAL(ギャル。プログラムに高電圧をかけてROM化する)を焼いて工場出荷した思い出があるそうです。浅倉さんはDX7-2以外にもたくさんのヤマハ機材開発に参加していますが、本人の適性に完全に合致していたでしょうから、すごく充実していたと思います。今ではFM音源もソフトウェア化されて膨大なサウンドライブラリーを駆使できるようですが、やはりFMトーンジェネレーターTX816の実機がないと私は落ち着きません。大切なものは手放した時に分かるというか。TX816のデザインだけは、ピアノのような普遍的位置付けで、内部回路だけを簡略化、高集積化、省電力化するだけにして復刻してもらいたいです。





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